こんにちは
あんじゅです☺︎
最近見に行った美術のお話をしようと思います。
今回は、初めて日本の重要文化財を見に行ってきました。
東京国立博物館で行われていた
『空也上人と六波羅蜜寺』に行ってきました。
この空也上人像という作品、皆さんも教科書などで見たことがあると思います。
私も高校の教科書に載っていたことをとてもよく覚えています。
高校生だった頃の私は美術にはそんなに関心が無かったのですが、
なんだか惹かれるものがあるなと思っていました。
学生時代新しい教科書が配られたらまず全部目を通していたと思うんですが
その時からずっと気になる存在でした。
さて、この空也上人像は鎌倉時代前期に作られたとされる木造寄木造彩色の作品です。
作者は鎌倉時代を代表する仏師運慶の四男。
康勝という人物です。
モデルとなった空也上人は平安時代中期の僧侶です。
南無阿弥陀仏と唱えて極楽往生を願う阿弥陀信仰をいちはやく広めた人物と言われています。
この頃の僧侶は今で言う公務員の僧侶とフリーランスの僧侶に別れていたようです。
空也上人は非常に優秀な人物ですだった為
所謂公務員側の僧侶になるチャンスもあったようですが、
公務員になってしまうと教えの対象は既に幸福度の高い貴族たちとなります。
空也上人が本当に救いたかったのは貧しい人々や何かに苦しむ人々だった為
安定した地位を捨てて山林で修行をしながら各地を遍歴しました。
橋梁や道路等の整備を行なったり、
行倒れた人を弔うなどし庶民から有力者まで幅広い信仰を集めました。
この空也上人が晩年に建てたのが現在の六波羅蜜寺の前身となる西光寺です。
そんな空也上人の没後1050年にあたり開催された今回の特別展で空也上人像は半世紀ぶりの東京上陸でした。
もしかしたら人生でもう見られるチャンスは無いかも?と思ったらとても良い経験だったと思います。
こちらがその空也上人像です。
口から出ている6人の小さな人は、空也上人が唱える南無阿弥陀仏を表現しているようです。
全長は117cmと実物より小さいと思うのですが、痩せた身体と表情も相まって本当にこのくらい華奢で小さく見えたんじゃ無いかなと思ってしまいました。
今回の展示会では四方をガラスで囲われたケースに入れられており、360℃見て回ることができました。
杖をつき、擦り切れ薄くなった履き物で少し辛そうな表情を浮かべていますが、
足は今まさに一歩を踏み出そうとしているのがとてもリアルに表現されていました。
後ろから見ると右の踵が少し浮いているのがとても細かくて感動しました。
言葉にするのが難しい不思議なオーラの漂う作品で何時間でも見ていられるような気がしました。
また、木造と元々生きていた素材を使っている分何か醸し出すものがあるのかなとも思いました。
今まで西洋絵画を中心に見てきたので、日本の重要文化財や仏像などもとても興味深いと思いました。
東京では次いつ見られるか分からないこの作品ですが、また会える機会があるなら是非行きたいと思いました。
教科書で見た時からずっと気になっていた空也上人像
とても良い作品でした。
それにしても、あんなに繊細な作品をどのように保管していたのか気になってしばらく眠れませんでした。