このサムネイルの絵画は1870年、ギュスターヴ・ドレによって描かれた作品です。
13世期後半のシェイクスピアの作品である夏の夜の夢のワンシーンを収めたものだそうです。
そしてこちらも1870年ジョン・シモンズ作
この二枚の絵を見てどんな作品を想像しますか?
かの有名なロミオとジュリエットを生んだあのシェイクスピアです。
夏の世の夢なんてタイトルもなんだかロマンチック。
すごく期待しました。
今回は本を読む前に1935年公開の映画を見てみました。
見終わってみてびっくり。
想像を大きく裏語ったドタバタラブコメディ?のような作品でした。
舞台はギリシャのアテネ、王様の結婚式の数日前にある貴族が娘の結婚についての問題を王様に報告しに来るところから始まります。
娘には父の決めた許婚がいました。その許婚の青年も娘との結婚には賛成。
しかし当の娘には互いに思いを寄せる彼がいました。
この時点で三角関係です。
痺れを切らした父親は王様に向かって
・娘が青年と結婚する
・両思いの彼を処刑する
・娘を修道院に入れて一生独り身で外界から断つ
この中のどれかの方法法によってこの話に決着をつけると話しました。
王様は4日後に自身の結婚式を控えており今そんなことを考える時間はありません。
そこで娘に結婚式が終わるまでの4日間猶予を与えるので自分で考えなさい。と言いました。
そこで娘は両思いの彼と駆け落ちをすることに。
親友にだけそのことを告げました。
しかしその親友、許婚の青年に片思いをしていたのです。
叶わぬ恋と諦めかけの親友は許婚の青年にこの作戦を告げてしまいました。
当然青年は2人を追うことに。
さらにその青年を追って親友も跡をつけました。
4人は妖精の住む森に入って行きました。
ここで許婚の青年からこれ以上跡をつけてくるなと激しく罵られる親友を見かけ同情します。
そこで青年に目が覚めてから初めに目に入ったものに恋をする魔法をかけました。
しかし失敗。魔法をかけたのは駆け落ち中の彼。あろうことかその彼につまずき起こしたのは親友。
今度こそと青年にも魔法をかけました。無事親友に恋をしますが青年からも急に好かれだしからかわれていると疑心暗鬼の親友と戸惑う娘。
かなりのカオス展開に陥りますが、結果的に駆け落ちカップルは無事元どおりに、許婚の青年の魔法だけを解かずに二組のカップルに落ち着けることができました。
アテネに戻り王様にも二組のカップルは認められ一緒に結婚スルトいうハッピーエンドの物語でした。
魔法をかけるタイミングで必ず現れるのが睡眠の描写です。
これによって妖精の起こした失敗やドタバタが彼らには夏の夜の森で見た変な夢として消化できるというのが面白いなと思いました。
また、冒頭の青年から親友に向けての強い言葉と恋に落ちてから甘すぎる言葉の数々の対比も興味深かったです。
特に罵るシーンや喧嘩のシーンが刺激的なので批判的な意見を持つ人もいるかもしれませんが、そこまでシェイクスピアにはおみとおしだったようで
最後に妖精の『あくまでこれは喜劇だから怒らないでね!』というようなニュアンスのセリフで幕を閉じる工夫もされていました。
他にも並行して二組の森でのイザコザがありますが長くなるので割愛しました。
それでもいつもより熱く語ってしまったシェイクスピアの喜劇
夏の夜の夢
とても面白かったです。
ストーリーを追えるくらい沢山の絵画たちも残されているので合わせて見るとより楽しめると思います。
全13作品くらいだったと思います。画家にも愛される作品だと思うとよりその価値がますような気がしました。