nico’s VIEW

The salesman

2017年9月24日

アスガル・ファルファディ監督

カンヌをはじめ、アカデミー外国語映画賞などを多々受賞している。

 

 

イランの夫婦の物語。

終始緊張感と共に進むストーリーは、イランの日常を描きつつも

僕たちの日常をも想像させるようなストーリーになっている。

 

 

イランには残念ながら行ったことも、近づいたこともないけれど

イランの男女関係の時々によって変わる、

パワーバランスが垣間見える映画でもある。

 

 

夫が不在の時に、暴行にあってしまう妻。

 

この悲しい出来事が、世の中の善と悪のコントラストを歪めてしまう。

 

作中には

 

戯曲「セールスマンの死」の舞台に立つ夫婦がいる。

 

劇中では、年老いた男が自分の役割を奪われ、セールスマンとして社会的に死んでしまう。

 

 

こういうことは日常でも沢山あると思わせるような

ストーリーが素晴らしい。

そして暗く、陰湿で良い感じだ。

 

 

これぞ映画というような雰囲気のある映像が良い。

 

妻はパートナーとして愛おしく、自分の所有物のように扱っていない。

家族を傷つけたものを許せず、妻の心の傷を癒す事が最優先。

・・・・・と、心から願っている夫。

 

 

だけど実際はどこかで男尊女卑の心が自分の中にもあり

復讐という名の犯人探しにはまっていく。

 

 

結局、被害者のまま映画が終わることはない。

 

 

イランは、まだまだ独特の文化が残っている。

隣のイラクでは先日まで戦争が起きていた。

 

 

大切なものを攻撃されると、人は当然守りたいと願い

攻撃したいと考えてしまう。

 

悪いとか、良いとかいう話ではなく、

本能的に、動物であれば湧き上がる感情。

 

そして、大切だと思えば思うほど

その攻撃性や、受けたショックは計り知れない。

 

 

自分の為に復讐に燃える夫に

信用が薄れていく。

 

大切な夫婦間が壊されたと、攻撃的になる夫。

 

加害者とされる者にも、大切な物や環境は確かに存在し

その愛は、国や環境で変化することなく

私たちと同じ、大きな愛が取り巻いている。

 

 

宗教も、家族も、恋人も、愛に始まる。

そして残念だけど、暴力を挟んで

愛で終わったり、消滅したりする。

 

「愛は地球を救う」とか言う番組があるけれど

「愛が地球を壊す」の間違いだと思う。

愛が間違いなくワンセットで憎悪を産む。

愛さえなければ、人は神のように生きていける気がする。

 

そんな絶望的な事を思ってしまう

ザ・リアルの映画。

 

これぞリアル。

 

 

参った。

凹んだ。

久しぶりに、疲れる映画を観た。

でも、とても面白かった。

 

 

そして関係ないけど、中東の女優さんは綺麗。

 

 

 

大切な事はいつも映画が教えてくれる。

いい映画を皆様の生活に。

 

 

 

 

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