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私の人生が狂い出した日

2017年10月20日

五反田駅前30秒で「旅する美容室」をやっております。代表の宮下健太郎です。

 

マレーシア、ペナン島でもサロンを一つやっています。

現地駐在のスタイリストも募集中です。

 

またアジア限定で、美容学生・美容師・サロンオーナー様向けのサービスも行なっております。

スタイリスト募集していらっしゃるサロン様、アジア進出を目論むサロン様、個人美容師様とお会いして、
僕に出来る事、ご紹介できるご縁、ありとあらゆる事をご提供させて頂いております。

詳しくは後ほど。。。。。

 

 

 

人生が狂い始めたのは、間違いなくあの日だと思い出せる1日がある。

 

 

それは僕の人生で初めての「旅」と呼べる様な1日であり、自分の実力を知った1日でもあった。

 

 

当時小学4年生の僕は、母の実家「壱岐」にある祖父と祖母の家へ

 

夏休みを使って一人で遊びに行く事にした。

 

直線距離にして約120キロ。

 

身長はまだ140センチくらいだったろうか、

 

子供からしたら、大冒険と呼べる距離だった。

 

途中、セスナ(四人乗りの小さな飛行機)や、人生初の一人で乗るタクシーを使って行く旅。

 

それまでは、家族で一緒に旅行することはあっても

 

当然、一人でどこかに行ったことは無かった。

 

 

「飛行場に着いたら、『山崎の停留所』までお願いしますってタクシーのおじさんに言うんだよ。」

 

空港まで車で送ってくれた母親から

 

僕は一人でセスナに乗る寸前まで、度々この言葉を刷り込まれた。

 

「山崎の停留所」とは、祖父と祖母の家の目の前のバス停の事だった。

 

その言葉通り、まさに祖父の家と停留所は目と鼻の先だったので、

 

ここを目指せば迷子になることは無かった。

 

 

だけど、当時10歳くらいだった僕は

 

緊張の中、初めて一人で降り立った空港で捕まえたタクシーに何故か

 

「石田の印通寺まで」

 

と伝えてしまった。

 

東京でいうと、「渋谷東口のハチ公前で」と伝えるつもりが

 

「品川区の大崎まで」と伝えてしまったくらいの違いがある。

 

野球でいうと「巨人の4番で」と

 

「日本で調子の良い野球選手で」くらいの違いである。

 

ざっくり過ぎた行き先を伝えられたタクシーの運転手は

 

迷いに迷って、僕をメインの大通りで降ろした。(メインの大通りですら片面1車線のど田舎)

 

当然シャイでおとなしい性格の僕は、おじさんに礼を言うこともなく

 

無言でタクシーを降りた。

 

 

そこはいつも通っていた道だった。

 

実家の家族の車で、祖父の車で、何度となく通った道だった。

 

おじーちゃんと、おばーちゃんの家までの道のりは、

 

自分の頭の中にはっきりと思い浮かんでいる。

 

僕は自分の体ほどある荷物を背負い、

 

その小さな足で、一歩づつ歩いて家へ行く事に決めた。

 

 

道中は田舎ということもあり平和だった。

誰ともすれ違わない。

車も数台とすれ違うだけだった気がする。

 

蝉の音を聞きながら歩いて行く道には

いつもは車で通り過ぎていた貯水池があった。

亀が沢山居た。

 

車で通り過ぎる時に、肥料の匂いを嗅いで騒ぐだけだった牛舎も

今日は目の前で牛が尻尾をブラブラと振っているのを見れた。

 

いつも早朝に祖父が連れて行ってくれてた「カブトムシの木」もあった。

今日はカナブンだけで、クワガタやカブトムシは居ないみたいだった。

 

1時間、2時間ほど歩いただろうか、

全く疲労は感じない。

だんだん日が暮れかけてきた。

見慣れた景色はだんだんと、

いつも遊んで居た祖父の家の近くになってくる。

 

小高い丘から、町が見える。

海が見えた。

おじーちゃんと、おばーちゃんの家も見えてきた。

家の前の停留所では、心配そうにした祖母が

到着予定の時間をとうに過ぎた僕を立って待っていてくれた。

 

2時間ほどの人生最大の壮大な大冒険は、

実はタクシーで降りた位置から

たった2度ほど、左折するだけの単純な旅だった。

 

 

あまりにもシャイで、タクシーの運転手に

「そこを曲がってください。」と伝えることも出来なかった140センチの僕は

自分の体ほどもあるバックを担いで、

2時間歩いて目的地に行くことも出来る自分に驚いたのを覚えている。

 

このインパクトは、自転車の補助輪が外れたことや

逆上がりが出来たこと、

2重跳びが出来たこととは比較にならないほど大きなモノだった。

 

 

迷子で不安に押しつぶされるどころか

自分が終始ワクワクしていた事を覚えている。

いつも通る道が全く違って見えたし

眼に映る全てのものがキラキラして見えた。

いつも見ていたあの映画の中に居る様な、

そんな経験だった。

そして何より、自分の力で辿り着く事が出来たという事実が

少し誇らしかった。

 

 

あの1日の体験は、間違いなく僕の原体験だった。

あれからずっと、青年期を過ぎた今でも

あの原体験の様な経験を探している自分がいる。

 

 

仕事をする上で、一体何が一番大切な事なのだろう。

お金を稼ぐ事なのだろうか。

それともカットが誰よりも上手になる事なのだろうか。

世界中にサロンを展開する事なのだろうか。

 

いや、仕事というか

生きて行く上で、どんな自分で居たら良いのだろう。

 

 

はっきりとした答えの様なものはないけれど

いつも飛ばしていた様な道を歩く事で

触れられることも沢山ある。

やったことのない方法で目的地に辿り着くことも出来る。

それがワクワクすることだったら

どんなに素晴らしいことだろう。

新しい価値観を生むことに繋がったら

どんなに楽しいだろう。

 

 

今までの自分の生き方とは違う

新しい価値観によって

「人生が狂い出す」

 

こんな楽しいことはない。

そう、心から思える。

 

 

だから今日も、

人生が狂い出す何かが起きるんじゃないかと

どこかで期待しながら過ごしている。

 

 

人生は常に旅とワンセット。

いつでも心だけは何処へでも旅立てる様

身軽で居たいものです。

 

 

どうぞよろしく。

 

 

 

 

 

「旅する美容室」

nico

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