1984年製作、ヴィム・ヴェンダース監督。 ロードムービーの金字塔。 「パリ・テキサス」
何度観た事でしょう。 こんなに悲しいロードムービーも珍しい。 そして何と言ってもナスターシャ・キンスキーが演じるジェーンが可愛すぎる。
金髪ボブに、ピンクのモヘアに憧れて、僕も金髪ボブにしようかと思ったくらい。
ストーリー、ビジュアル共に、ヴィムヴェンダース最高峰と思います。
この映画には、いくつかの象徴的シーンがあります。
冒頭の主人公トラヴィスが、なんの説明もなく赤い帽子とセットアップで荒野を歩いているシーンや、
「パリ」という名の、テキサスの荒地の写真を車の中で弟に見せるシーン。
そして、マジックミラー越しに会話する元夫婦。
通販サイトで買ったという、花の都パリとは随分とかけ離れたテキサスにあるパリという名の荒野。
そこは、トラヴィスの両親が初めて愛を育んだ場所だという。
そんな大切な愛のある場所だから購入したという、赤の他人からみたらなんの価値もない荒野パリ。
トラヴィスはいつかここで暮らす事を夢見ている。
皆さんに観て欲しい映画ベスト10に、毎度のこと入ってしまうこの映画。
どんなに世の中が発達しても、変わらない感情があると思う。
「パリ」は場所じゃなくてもいい。
そこに幸せがあって、それを手にしたいと思うこと。
他人からはどうでもいいような事、場所、時間、環境でも その人にとって掛け替えのない大切なもの。
テキサスのパリを目指して歩き続けるトラヴィス。
別れた息子と、のぞき部屋で働く元妻。
相手を愛そうと思う気持ちとは裏腹に、
それは自分を相手に投影させた自己愛に限りなく近くなる
現代的な愛に抵抗するように、
背を向けたマジックミラー越しの会話がなんとも深い。
相手を見つめると、目に見えることが邪魔になることもあると思う。
トラヴィスは、ゆっくり自分の愛と家族について話し始める。
ジェーンはマジックミラー越しに、その姿を見なくても相手がトラヴィスだと気づく。
トラヴィスの大きな愛に気づき、ジェーンは残した息子に会いに行く。
パリは手に入れられなかったけれど、
家族は形を変えて優しくなれた。
そしてこの映画は音楽もスゴい。
こんな意味のある作品をいつか作ってみたい。
大切な事はいつも映画が教えてくれる。
いい映画を皆様の生活に。
「旅する美容室」
nico 東京都品川区東五反田5-27-6 第一五反田ビル7F
03−5422−6277
はちみつカラー・はちみつトリートメントが人気です★