邦題「エターナルサンシャイン」
ミチェルゴンドリー監督
ジャケットの雰囲気とはうって変わって
仕掛けあり、映像美ありの不思議な映画です。
記憶を消す手術が可能な世界を描いたラブロマンス。
ジムキャリーといえば、コメディしか見たことがなかったので
少し入りにくいかなとも思ったのですが
ケイトウィンスレットとジムキャリーという大物2人の手にかかれば
一瞬で作品に引き込まれるのでした。
個人的には恋人と喧嘩をしたことがないので、よくわからない感情ですが
どうやら衝動的にその場を出て行ったり、喧嘩したり、殴ったり、人を刺したりするのが世のスタンダードのようですので、
この映画のストーリーになっている「衝動的に彼の記憶を消してしまう」というのも、ありえる展開なのでしょうか。
ちょっとそこだけが強引さを感じましたが、とっても面白かったので皆様にもお勧めします。
ストーリーは、偶然出会った2人がお互いに惹かれ合い
そのうち良い感じになるけども、ちょっとした喧嘩で突然彼女が出て行って自分の記憶を消しているという設定。
彼は大好きだった彼女を忘れるために同じ記憶を消す手術を受けることに。
しかし記憶を消している途中に、やはり彼女との思い出を消し去りたくないと抵抗して
記憶の中を2人で逃げ回っていく。
最終的にはすっかり記憶が消されてしまうけれど
結局再び出会えば、お互いは恋に落ちてしまっているというお話し。
今まで特別に記憶を消し去りたいと思った事はないし、
これからも消し去りたいと思う事がないように生きていきたいと願うけれど、
実はすでに消し去られていた記憶があるのではないかと思った事はある。
当然、消し去られているから、消し去った事さえも覚えていないので、
特別に消し去りたい記憶がないな、と思っているのは自然なことかもなと思ったり。(複雑すぎて何ってるか分からないんですけど)
もしくは、前世という事にしてもいい。
前世の記憶は、失われた記憶の典型だと思う。
どうして偶然出会った二人は、そんな急速に惹かれあっていくのだろう。
偶然出会ったというが、そんな偶然の出会いなんて毎日起きているはずで、
電車でも毎日新しい人と出会っているはずだし、コンビニで偶然ぶつかってしまった人も毎日のようにいるでしょう。
エレベーターでも毎日偶然誰かと乗り合わせるし、信号待ちの向かいには一人も知り合いなんていない。
ましてや僕たち美容師になると、毎日新しい人と小一時間以上お話をすることも珍しくない。
そう、偶然の出会いからお互いが異性として惹かれ合うなんて、尋常ではない確率だと思う。
通常はありえないシチュエーションって事にならないだろうか。
つまり、偶然出会った二人がお互いに興味を持つなんて
二人だけの過去の記憶を消されていたとしか思えない。
もしくはいわゆる前世で一緒だったと、思わずロマンチックな推測が出来てもおかしくないのではないかと。
二人の記憶を消し去りたくないと思うことと
いっそ消してしまいたいと思う事は、ほぼ同じ意味だし
そう思えるほどの誰かだったら
きっと東京の人混みの中でも、ニューヨークのカオスの中でも、虹の橋でも
その子を簡単に見つけることが出来る気がする。
この映画はカメラワークがとてもお洒落で、
記憶が消されていくシーンも、とても幻想的に撮られています。
僕たちは誰かの記憶の中にしか生きていけない生き物だから、
忘れるという事は、その人が本当の意味で消えてしまうという事。
死んでしまう事は仕方ないけれど、消えてしまう事は何よりも辛いから
やっぱり記憶は消したくないかな。
大切な事はいつも映画が教えてくれる。
いい映画を皆様の生活に。
「旅する美容室」
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