グザビエ・ドラン監督
原題 「I KILLED MY MOTHER」
衝撃的なタイトル。
イケメンで若くて俳優で脚本家で監督、そしてゲイ。
間違いなく天才である事は間違いないカナダの宝物。
衝撃的な作品を19歳で仕上げるこの天才は、一体何者。
彼は母を殺したと担任の先生へ告げる。
衝撃的なストーリーだが
あまりにもリアルで、不可解で、誰もが共感できる
思春期独特の感情を見事に作り上げ、自ら演じている。
彼の作品は、どれも色が美しく
ディープな作品内容とのコントラストが
如何にも彼らしく、とてもかっこいい。
少年と青年との間で彼は若者らしくもがき
愛の矛盾を、リアリズムと同時に表現している。
いや、愛は矛盾とワンセットだと言わんばかりに
何度も家族、恋人への愛を表現していく。
こんな深いテーマを19歳で熟知し
演出、製作できるなんて
なんて天才なんだ。
グザビエ・ドラン。
そしてこの映画に登場する役者のスタイリッシュな事。
キメ過ぎてもなく、ダサ過ぎない。
ナチュラルで、かっこいい。
僕のお客様にも、同じような雰囲気を持った方が大勢いる。(ゲイと言う意味ではなく)
ナチュラルで、力が入っていないけど、芯が強く
いやらしさの無いオシャレが似合う人。
オシャレな人は、悪い意味でなく神経質な方が多いと思う。
そして、オシャレなモノを作る人も神経質で無いと、やはりダメだと思う。
僕の感覚だと、映画でも絵でも音楽でも髪型でも、神経質で無い人が作ったものは
何か独特の異臭がする。
このドラン監督の作品は、全て一切の異臭がしない。
とても繊細な人なんだと、映画をみて感じる。
それを踏まえて観ると、彼が表現する愛は
とても純粋でディープだなと
胸の奥の方が、コチョコチョと擽ったくなる。
成熟している事と、正しさは全く関係が無い。
未熟が純粋と言うわけでも無い。
おそるべし19歳、ドラン。
勢いのある若い監督さんが作ったセンセーショナルな映画のせいで
さらに僕の中二病が加速する事になりました。
大切な事はいつも映画が教えてくれる。
良い映画を皆様の生活に。